連休だと記事を書くのを後回しにしがちで週末にあがらなくなっている振り返り記事です。年間ベストも忘れてはいないのでそのうち……、一月中くらいを見込んで……。
『ステレオjct』コタニ夕多
どこが好きかと言われると困ってしまうんですけどずっと私にとっての宝物な一冊です。作者さんの著作がこれ一作しかないことも相まって、読み返すたびにじわっと心にしみるところがあります。
情緒なくまとめてしまえば社会不適合者たちの会話劇、とかになるのかな。つまらないまとめかたすぎてびっくりしてしまいますね。大切を言葉にしたいんですが、まだ難しいみたい。
完結まで駆け抜けてしまいました。
七つの壁、約束の結び直し、鬼の世界の変革、人間の世界へ渡る。そして「ごほうび」とは。ちょっと気になっていたフックが畳み掛けるように回収していくの、読書していてぞくぞくと興奮するポイントなので非常に楽しめました。
特に最後の一巻は読みながら数度涙するくらいに感情を動かされましたね。
『シークレットバイブル 約束のネバーランド0』白井カイウ、出水ぽすか
本編を最後まで走り抜けてすぐに読みたくて仕方がなくなって買ってしまいました。しっかりと内容のある設定資料集、大好き……。
原作者である白井カイウさんと担当編集さんが一話一話振り返っていくの、読みごたえがぎっちり詰まってました。これをもとにもう一度、絵に仕込まれたネタなんかも拾いながら読み返したいと思います。
主に「約束のネバーランド」後日談を目当てとして買ったのですが、それ以外の作品にも約ネバに繋がるテーマがしっかり入っていて楽しく読むことができました。
楽しみにしていた後日談も期待以上でしたし。これを原画展で見ることができたリアルタイムのファンの皆さんが羨ましいですね。色んな作品を周回遅れで履修するのでこういうときに悔しい思いをしがちです。
『雪蟷螂』紅玉いづき
電撃文庫版で既読。前にもたぶん書きましたが紅玉いづきさんの初期作で一番好きなのはこの「雪蟷螂」なんですよね。
吹雪による白が絶望である世界観、あなたを食べたいほどに愛している。
ルイが好きなんですよね、「陛下も」と言うんです。フェルビエの女は愛に生きるいきものなのだと強く感じる一言ですよね。
先週に最新刊まで追いついたのでこちらもワールドガイドを。
キャラクターそれぞれのカラーイラスト書下ろしという大変に手間がかかっている御本でした。すごい。それぞれの髪色や洋服の作りなんかが見られて充実してました。
本編の合間に挿入される「足元の歩き方」を本のタイトルとしているだけあって、こちらも足元の世界で出版されている本のよう。国や街並み、食事の説明が楽しくて何度もめくってしまいます。
この本の出版時点では本編に出てなかった(か雑誌にしか載ってなかった)ような種帽子や騎鳥便なんかにも触れられていて、世界の深さを感じました。
かなり前に一度10巻まで読んでいるはず。
人狼回が大好きですね、存在をひたすらに薄めて薄めて、仲間たちの記憶からも薄れてしまう。それを引き戻すための鍵は、っていう。起きている事件は毎回ちゃんとシリアスなんですけど、めちゃくちゃなのが普通なこの街では日常茶飯事でしかないってところがいい。
兄弟子、弟弟子の共闘回も楽しいです。
『税金で買った本5』ずいの、系山冏
ちょっと間が開いてしまいましたが最新刊に追いつきました。
雇用問題が読んでてしんどくなってしまいましたね、図書館で働きたいけれど正規で働くことの厳しさを知って諦めてしまった者だから。図書館の仕事って非常に専門性が高くて、長いこと勤めることでその地域性なんかがわかって選書に活かせて……って繋がっていくものなんですけどね。難しいですね。
以上、14冊です。
年始のばたつきと重めの本を抱えているのもあって漫画が多めですね。
ボミューミーな設定資料系の本が読めたのも嬉しかったです。