23/1/29~2/4の読書記録

二月が始まってしまいましたね、時の流れの速さに怯えています。

今週の読書振り返りをさくっとはじめましょう。

 

『ばけもの夜話づくし12』マツリ

こちらも紙で購入していた漫画の完結巻。

寂しくもありますが語り切っての終わりという感じで最高でした。表紙の箔が美しい。作者さんのTwitterで色校の様子なんかが伝わってくるたびに楽しみだったので。最初から最後まで美しい表紙でした。

最初の方は秘密を巡るオムニバス的な作品かと思っていたのですが、固定で出てくるキャラクターたちが揃ってからうねるように本筋に引き込まれていきました。面白かった……、これもまたじっくり読み返したいですね。

 

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり2』地主

スーパーの裏でタバコを一緒に吸うだけの二人の間に関係が生まれていく様子を丁寧に見せてくれるのでにやにやと変な顔しながら読んでしまいますね。田山さんのめっちゃ可愛い表情も見られて嬉しい。犬はかわいい。

感情の名付けが大好きなのでかのシーンでは変な声が出そうになりましたね。自分のなかにある感情、必ずしも名前をつけなければいけないものとは思わないんですが、名前を付けて保存できたときの喜びもまた格別だと思うんです。

 

『ロクレイ ー天成市りんね区役所第六感助霊課活動記ー 2』地主

ヤニ吸うと同時発売。読者としては地主さんの漫画がたくさん読めてハッピー!ってなるんですが作者さん大変そうではある。色んな漫画家さんを追ってますが、同時連載とかされてる方すごいな……、と毎回のように思う。

助霊課としてのお仕事も重なり、ゆゆ女の過去もちらつき。キャラクターの掘り下げがされていきそうで次巻以降もとっても楽しみです。

 

『花伽藍』中山可穂

再読。何回読んでも一篇一篇の重みがずっしりと響きます。

燦雨がやはり好きですね。一冊の締めとして美しい。

 

『星を掬う』町田そのこ

作者さん初読みかな。話題になっている作家さんだとは知っているのですが。

幼いころ母親に捨てられた千鶴はDV夫から逃げるために若年性アルツハイマーになってしまった母親の住む家に身を寄せることになる。

聖子が千鶴を捨てた理由が胸に刺さりました。母子だからといって望む生き方が同じになるわけがない、だからといって子を持つ母親が自分の生き方を曲げてでも子に奉仕すべきかと言われればそれも違っていてほしい。これは祈りにも似ているのですが。かといって捨てられた、と思うような方法で姿を消すのも正解だとはけして思えませんし。

最後に二人が辿り着いた距離感、それが二人にはちょうどよいというのも少し寂しいものがありますが。それでも捨ててしまった母と捨てられた子が至った結末としては柔らかで優しくて、他の作品も読んでみたいと思えました。

 

『裏世界ピクニック8 共犯者の終り』宮澤伊織

悲鳴が上がりました。ネタバレなしでちゃんと感想を言える気がしない。

今までずっと「共犯者」だった二人。閏間冴月の葬送を済ませて、二人の関係が大きく変わりだす。言われてみれば共犯者に拘っていたのは一方だったんですよねえ。

視ることがスイッチだった空魚のシーンは思わず笑ってしまいました。であるならば鳥子は触ることがスイッチなんでしょうね。ちょっとネタバレで語りたい。そう言って放置している作品があまりにも多い。

 

BLACK BIRD 10~18』桜小路かのこ

一気読み。かなり昔に最後まで読んだことがあったので一応の再読。

こう、改めて読み返すと綺麗な構造でしたね。楽しかった。画面も美しくて読み応えがありました。和服っていいですよね。

人外×少女ものがずっと好きで、これが最初に読んだものではさすがにないんですが今に至るまで大好きな理由のひとつには入っているかと思います。かつて読んだときはえっちで動揺していたんですが読み返してもかなり際どかった。少女漫画って意外と際どいんだ。

最終話の入りの語りからの最後の締めが好きです。次郎ちゃんが可愛いんだわ。

 

『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン

好きな作家さんがオススメにあげていたはず。

翻訳物のタイトルつけって難しいよな、と思ったり。日本で「自由研究」と聞くと小学生のひと夏感がすごいんですよね。英国の高校生の話でした。かといって直訳が正義とも思いませんし、難しいなあ、と原語の読めない一読者的にぼやいてみただけです。

初手も初手で先生の言いつけを破ってて破天荒で、それでも冤罪を解決したいという意思の強さもあるピップという主人公を感じられました。あくまでも高校生だからこそ、インタビューやネット検索、人と人のつながりから推理していく。推理が迷走したり、近しい人を疑いたくなくて悩んだり、等身大な部分が魅力的でした。続編も読みたい。

 

『あおのたつき1~3』安達智

Twitterに宣伝が流れているのが目に留まって。

紗久楽さわさんの『百と卍』で陰間の世界をちらっと覗かせてもらえたので、次は遊女たちのお話を。なんて漫画で続けてみましたが、最近は小説でも江戸ものが個人的にブームを起こしています。

ちょうど手元にあった3巻がいいところで終わってしまったので早く次の巻を読みたいという気持ちに溢れています。あお、濃紫の死の理由としがらみが明らかになるのでしょうか。

 

以上、19冊。

一気読みもしましたし個人的にはかなり充実してました。

先週に引き続き良き読書ができましたね。