22/12/4~10の読書記録

今週読んだ本の簡単な感想と覚書です。さくっと行きます。

 

『アリスが語らないことは』ピーター・スワンソン

現在と過去を行き来しながら、アリスという謎めいた女性に迫っていく。

未来編の事件の犯人自体は名指しこそできずとも誰かは予想できて、謎解き的な面白さは薄めでした。第一部の過去編、第二部の未来編がそれぞれ面白かった。最後、投げたままに見えた犯罪を拾いにいったのが好きです。妄執と連鎖。

 

『This コミュニケーション8』六内円栄

一話一話の構造が上手くって引き込まれる作品。一話毎も上手いんだけども巻毎も上手いんですよねえ。

前巻の引き、最強の敵「デルウハ」ってところでどうなるんだ?と緊張しながらページをめくりましたがきっちりまとめてきましたね。

キャラクターの行動原理がしっかりしているからこそギャグのようなオチですら決まってる。今巻の引きもまたよかったので次巻も楽しみです。あれから彼女らも強くなりましたしね。

 

うる星やつら1』高橋留美子

初読み。うる星やつらと言えばラムちゃんっていう印象しかなかったのですが、意外とラムちゃんが出てこないお話もあるんですね。

巻末を読むとここからラムちゃんががっつり絡んで学園コメディに寄るらしい? 亀の歩みで読みます。

 

『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀

単行本で既読。

今作について作者が語っているのを読んだこともあり、より深く楽しめました。終わったあとの話。再起の話。

探偵のいらなくなった世界で、探偵は正義を成せるのか。

 

約束のネバーランド7~11』白井カイウ出水ぽすか

「GP編」ラストまで。

おじさんが名前を呼んでくれたシーンが熱かったですね。そしてノーマンについても。家族が増えて、目標が定まって、次巻以降どう動いていくのかが楽しみです。

 

『絞め殺しの樹』河崎秋子

猫の描写が印象的でした、最後まで出てきますしね。白い猫。

ミサエが過酷な環境を抜け出してよかったと思えばまた戻ってしまう。自分の幼少期がああであったからこそ道子に対して選択を誤ってしまう。

重く陰鬱で、救いのない結末になるのではと思いましたが、実母から受け取ったものを失ったからこそ、嫌な連鎖は止まってくれるのではないかと希望が持てました。

前半が辛かったのですが、大河小説の色が強くなってからは楽しかったです。

 

サグラダ・ファミリア中山可穂

偶然手に取った『花伽藍』から嵌って、過去の作品をせっせと追いかけている作家さん。

互いに刃物を向けあうような恋が印象深かったのですが、母になってからの透子の愛情が柔らかでよかったです。そして出てくる男性が魅力的なんですよね。子である桐人も含めて。

 

以上、11冊でした。

来週は楽しみにしていた本をたくさん読めるので今からワクワク。